Herokuとは?その秘密に迫る…

この記事ではHerokuをより深く分析し、注目すべきメリット&デメリット、価格体系、そしてその主な機能をご紹介します。

サービスとしてのプラットフォームを選択肢とすることはビジネスにとって、高性能なアプリケーションの作成、管理に役立ちます。信頼あるPaaSは合理的なAPI開発の実現、データベース、IoT、通信、プロセス管理を楽に実行できるよう、開発者を後押しします。​

Herokuは現在、あらゆる規模の企業にサービスを提供する、信頼性の高いプラットフォームと考えられています。では、この人気のプラットフォームの特徴、利点、そして制限を詳しく見ていきましょう。

Herokuとは?

Herokuは、広く信頼を得ているPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)で、開発者はアプリケーションのデプロイ、スケーリング、および管理を、手間を掛けずに実行できます。

このプラットフォームは、Java、Ruby、PHP、Node.js、Python、Scala、Clojureなどの幅広いプログラミング言語に対応しています。Herokuは、Dynoと呼ばれる仮想コンテナでアプリケーションを実行します。

Herokuでは、割り当てられたRAMや仮想マシンなどのコンピューティングリソースに基づいて課金されます。Herokuプラットフォームとユーザーが作成したアプリケーションが使用するインフラは、Amazon Web Services(AWS)です。非常に便利であるため、開発者は迅速なアプリケーションの開発が可能となります。

HerokuのようなPaaS型サービスは、フルマネージドサービスを提供、インフラを管理し、サーバーを自動的にスケールアップ/ダウンできます。純粋なIaaSプロバイダーと比較してPaaS型サービスでは、仮想マシンのリソースの上に付加価値のあるレイヤーが追加されることになります。

Herokuの歴史

初期のバージョンのHerokuは、アダム・ウィギンス、オリオン・ヘンリー、ジェームス・リンデンバウムによって開発されました。Rackベースのプロジェクトをサポートするためのツールとして誕生し、そのプロトタイプは6カ月で開発されました。

しかし、ほとんどの開発者が独自の環境とツールを使用していたため、市場に潜在顧客が存在しないという問題により、Herokuプロジェクトは困難に直面します。

Herokuは3カ月の開発期間を経て、2009年にリニューアル版がリリースされました。Herokuは、2009年にバイロン・セバスティアンを新しいCEOとして迎え入れます。

その後、2010年末にSalesforceが全額現金取引、2億1200万ドルで同社を買収しました。2011年には、Rubyの主要な開発者であるまつもとゆきひろが、HerokuのRubyチーフアーキテクトの担当として就任しました。

その直後、HerokuにClojureとNode.jsのサポートが追加されました。また、2011年にはHeroku for Facebookが導入されました。

Herokuを利用した人気アプリ

Herokuを利用した人気のアプリケーションを紹介します。

  • LitCharts
  • Shift Commerce
  • PensionBee
  • DrivenData
  • Hotel Engine
  • ThinkMD
  • Cambly

詳しくはHerokuお客様事例のページをご参照ください。

Herokuの用途は?

開発者や企業はHerokuを以下のようなさまざまなアプリケーションに使用できます:

  • スマートコンテナでの実行
  • アプリケーションのスケーリング
  • マネージド・データベース
  • IoT プラットフォーム
  • Web アプリケーション
  • その他

その他の事例について詳しくは、Heroku事例集をご参照ください

Herokuのレビュー

G2によると、Herokuのスコアは5点満点中4.3点で、113人のユーザーがこのプラットフォームのレビューを投稿しています。

TrustRadiusによると、Herokuのスコアは10点満点中7.7点で、164人のユーザーがこのプラットフォームのレビューを投稿しています。ほとんどのユーザーの評価は肯定的ですが、一部少数のユーザーによる否定的な評価も見られます。 

Capterraによると、Herokuのスコアは5点満点で4.6点、241人のユーザーがこのプラットフォームのレビューを投稿しています。2021年のBest Ease of Use(最も使いやすい)プラットフォームに選ばれました。

Dynoとは?

Dynoは、Herokuプラットフォーム上のコンテナの事を指し、Herokuアプリケーションの実行やスケーリングに使用されます。Dynoは仮想Linuxコンテナで、ユーザーコマンドに基づきコードを実行します。

開発者の要件に基づいて、アプリケーションに必要な特定の数のDynoに変更し、スケールアップできます。Herokuにはコンテナ管理機能が用意されているので、ユーザーはアプリケーションの要件に基づいたスケーリング、Dynoのサイズ、タイプ、数の管理が簡単に行えます。

DynoはHerokuのアプリケーションを強化する基盤となる要素の1つです。開発者は、アプリケーションをDynoにデプロイし、そのユニットを管理することで、スケーラブルなアプリケーションを効率的に開発、実行できます。

これにより開発者はインフラの管理作業から解放され、アプリケーションの開発と実行という本質的な作業に集中できます。

Herokuのメリット

Herokuの利点は以下の通りです:

  • 無料で始められる

Herokuは無料で使い始められますが、基本的な機能に制限があります。基本的なクラウドアプリの開発を予定している人に適しています。

開発者は、このプラットフォームに全てを委ねてしまう前に、まずはこのプランを選択して使い始めることができます。Herokuの機能を試し、開発予定のアプリケーションのニーズに適しているかどうかを判断するために試すことができます。

ただし、Herokuは2022年11月28日以降の無料プランの提供廃止を発表していますのでご注意ください。Herokuのその他の利点については、引き続きお読みください。

  • 使いやすい

Herokuは、サービスとしてのプラットフォーム・PaaSのリーディングカンパニーとして、その使いやすさで知られています。開発者は、必要に応じて、大企業の複雑な要件に適した異なるパッケージを選択することもできます。

ユーザーが簡単にスケーリング、管理、アプリケーションの監視を実行できるよう、Herokuプラットフォームのダッシュボードは直感的な設計となっています。

  • 開発者中心

Herokuは、開発者が機能豊富なアプリケーションを作成するためのスキルを磨ける環境づくりに重点を置いています。開発者は、コアな開発プロセスを加速させるための貴重なツールにアクセスできます。

繰り返し行う作業から解放され、重要な開発に集中できます。Herokuの膨大な機能は、あらゆるアプリケーション開発プロジェクトに生命を吹き込むことができます。Herokuのさらなる利点については、引き続きお読みください。

  • 開発者はサーバー管理ではなくコーディングに集中できる

Herokuはサーバー管理の負担を軽減し、開発者にとって使いやすいWeb UIとなっています。アプリケーションが実行可能な状態になれば、ワンクリックでデプロイできるのも非常に便利な点です。

リリースでは簡単に新しいソフトウェアリリースを作成し、異なる環境間で拡張機能を素早くデプロイできます。Herokuはアプリケーション開発に便利なプラットフォームの選択肢だと言えます。

  • スケーリングしやすい

Heroku PaaSでは、開発者によって書かれたコードはDynoで実行されます。それぞれのDynoは、メモリ、CPU、アプリケーションのコード、依存関係などのリソースをカプセル化したコンテナです。

準備が整ったら、Herokuのユーザーは独立したアプリケーションのコピーをいくつでも作成することができ、このプロセスは水平スケーリングとして知られています。

予想以上のトラフィックを処理する必要があるアプリケーションでも、ワンクリックで数百のアプリケーションのインスタンスを作成して処理できます。Herokuのオートスケーリング機能は、トラフィックの急増を簡単に検出し、それに応じて多くのDynoを作成できます。

  • セキュリティ

Herokuのセキュリティ機能は、開発者に安全なアプリケーションの開発環境を提供します。Herokuは、サーバーとアプリケーションコードにとって最適なセキュリティを確保し、起こりうる問題を未然に防止します。

このPaaSプラットフォームは、セキュリティパッチを常に適用する手間を軽減します。これは、特に高度なWebアプリケーションではより面倒な作業です。Herokuのその他の利点については、引き続きお読みください。

  • パワフルなCLI

Herokuのコマンドラインインターフェース(CLI)は、Herokuアプリケーションを効率よく開発・管理するのに役立ちます。そのCLIはHeroku PaaSのコンポーネントの中でも、最も信頼できるツールの1つです。

  • 優れたプラグインとサードパーティのサポート

Herokuのエコシステムは、開発者に不可欠な、多くのクラウドサービスで構成されています。これらのサービスは、アプリケーションの作成、管理、および運用に非常に役立ちます。

統合されたアドオンにより、開発者はサービスのインストールを実行、CLIまたはHerokuダッシュボードから構成、請求、データ管理が簡単に行なえます。

Herokuはまた、プラットフォームAPI、プロセス、ログを統合することで、機能をより充実させるいくつかのアドオンを提供しています。そのアドオンには、Bucketeer、Redis To Go、Cloudcubeなどが含まれます。

  • Salesforceの一部である

Heroku PaaSは、ソフトウェア業界でも信頼性の高い企業の1つであるSalesForceの傘下にあります。SalesForceに買収されて以来、大きく発展し、より多くの統合を実現しました。

両社は世界中のビジネスのニーズを満たすため、そして、高品質のソリューションを提供するために協力し合っています。

開発者はHeroku上でアプリを構築し、Heroku Connect を利用してHeroku PostgresとSalesForceのデプロイメント間のデータを同期できます。

HerokuとSalesForceのパートナーシップにより、高品質なアプリケーションを迅速かつ手間を掛けずに開発できるPaaS製品が誕生したのです。

  • エンタープライズサポート

Heroku Enterpriseには、開発者がアプリケーションを最大限に活用できるようにするための、いくつかのPro Moduleオプションが用意されています。

同社は企業のアプリケーション開発プロセスを簡素化するための支援に重点を置いています。企業向けに提供される3つのモジュールは、アプリケーションのアセスメント、アプリケーションのスケーリング計画、およびソリューションの提案です。

Herokuにおける制限

  • 価格

今回の発表で、2022年11月28日以降の無料プランの提供は終了することが明らかになりました。

Herokuは他のプラットフォームと比較して、多くの開発者にとって費用がかさむことが懸念されています。スケーリングの際に浮上するこの問題が、プラットフォームの選択に影響を与える可能性があります。

リソースの使用率が最適ではなく、Herokuではコストが上昇する可能性があります。Herokuは、AWSやその他の主要な競合他社よりも高額です。

このテーマについて詳しくは、Herokuの価格詳細を参照ください。

  • アプリのスリープ

割り当てられた1つのWebのDynoは、1時間トラフィックを受信しなければ、Herokuアプリケーションは休眠状態になります

アプリケーションに再度アクセスがあると、Dynoは処理のために自動的に起動します。アプリケーションのスリープは、ビジネスによっては問題となり得ます。ただし、複数のDynoがあるアプリケーションはスリープ状態にはなりません。

  • 限定されたリージョン

Herokuは、AWSプラットフォーム上で動作するものの、利用可能なリージョンは米国と欧州のみです。そのため、この2つのリージョンに顧客基盤を持つビジネスには適しているとも言えます。

しかし、アプリケーションがアジア圏をターゲットとしたビジネスの場合、レイテンシー(遅延時間)の問題が発生する可能性があります。これは、ヨーロッパとアメリカ以外のユーザーがHerokuの代替プラットフォームを検討する際に考慮すべき制限と言えます。

Heroku Private Spaceでは現在、選択可能なリージョンを他にも提供していますが、利用できるのはEnterprise契約のユーザーのみとなっています。

この件に関する詳細は、こちらの記事を参照ください。

  • IaaSと比較した場合の柔軟性の低さ

Herokuはサービスとしてのプラットフォームであり、IaaSと比較すると柔軟性が低いと言えます。膨大な機能とアドオンを提供しているにも関わらず、プラットフォームの開発タイプは限定されています。

IaaSは複数の開発ユースケースに対して素晴らしい柔軟性を提供し、Heroku のようなPaaSは一般的にIaaSの上に構築されています。

  • 限られたインスタンスの種類

Heroku PaaSがユーザーに提供するインスタンスの種類も限られています。現在、開発者が選択できるのはわずか6つのDynoタイプ(無料のDynoは2022年11月28日以降利用できません)で、これらにはすべて、特定のメモリ、コンピューティング、CPUシェア制限、専用サーバのバリエーション等が設定されています。

これらのプランの中には、専用サーバーを搭載していないものもあり、メモリやCPUの制限は予め確認しておく必要があります。代わりとして、例えばAWSのようなサービスは、より多くのインスタンスタイプのバリエーションを提供しています。

要件が限られている企業やユーザーは、問題なくHerokuを使用できますが、スケーラビリティの必要性が高まるにつれ、他の代替プラットフォームを検討することになる可能性も大いにありえます。

  • 静的IPアドレスが提供されない

静的(固定) IPアドレスを利用することはほとんどのビジネスにとって基本的な要件であり、静的IPアドレスを持つことで非常に有利になります。デフォルトでは、HerokuはCRE(Common Runtime Environment)内で静的IPアドレスを提供していません。

ユーザーはHeroku Private Spacesを選択して静的IPアドレスを取得する必要がありますが、ロードバランシングやカスタマイズに関しては最適とは言えません。Herokuで静的IPアドレスを使用するには、サードパーティの静的IPアドオンプロバイダーに依存せざるを得ません。

この機能の利用は複雑であるため、開発者や事業者は他のプロバイダーを利用するようになるのが現実です。

静的IPアドレスを使用するもう1つ方法は、QuotaGuard Static IPのアドオンを使用することです。StackOverflow Static IPの記事に、これに関する詳細情報があります。

  • 課金はUSDのみ、現地通貨でのサポートなし

Herokuの支払いに利用できる通貨はUSD(米ドル)のみで、ユーロを含む他の通貨では支払いできません。これは、自国通貨での支払いを好むビジネスオーナーにとって、少し不便かもしれません。

Herokuの価格

Herokuは無料?Herokuが無料プランを提供するのは2022年11月28日までです。

以下は、Herokuの価格体系の概要です:

  • 無料枠 (2022年11月28日まで有効)
  • リソースベースの有料プラン

各プランは、特定のユーザーのニーズに合わせて設計されており、以下のようにプラン分けされています。以下の表は、Herokuの価格体系とHerokuのホスティングのオプションをまとめたものです。

プランの種類ユースケース説明
無料 と ホビーMVP(必要最小限の製品)
非商用アプリケーション
個人プロジェクト
Herokuには無料プランとホビープランがあり、どちらも$0から利用を開始できます。

非商用アプリのデプロイメントに適したスタンダードなプランです。
プロダクション小規模ビジネスのアプリケーションHerokuの プロダクションプランは月額$25から利用可能ですが、ユーザーの要望・要件により料金は変動します。 
アドバンスドミッションクリティカルなアプリケーションHerokuのアドバンスドプランは月額$250から利用可能です。このプランは、より高度な開発要件を持つビジネスに適しています。 
エンタープライズエンタープライズ級のアプリケーション Herokuのエンタープライズパッケージは、ユーザーのニーズに応じて課金される柔軟性の高いプランです。より高度なセキュリティやコンプライアンスを必要とする企業に適しています。 

プランを選択すると、Herokuからの請求金額は以下の項目を基に計算されます:

  • Dynoのサイズ
  • Dynoの数量
  • アドオン
  • チームメンバーの数
  • CI/CD オプション
  • サポートプラン

使用量に応じて課金されるモデルと比べると、Herokuの価格体系は複雑ではないものの、単純でもありません。同社のWebサイトでは費用の見積もりもでき、より正確な料金の見積もりが可能です。

項目カテゴリー備考有料プラン
DynoStandard
Performance
Private
利用可能なDynoのタイプは、Standard 1Xと2X、Performance M とL、Privateです。有料プランは月額$25から利用可能
データサービスHobby
Standard
Premium
Private
Private Postgres、Redis、Apache Kafkaなど、複数のデータベースの選択肢を提供しています。Redisは月額$15から利用可能
アドオンプロダクション
アドバンスド
エンタープライズ
豊富なアドオンが用意されています。例えば、キャッシュ、検索、画像処理など。価格ページを確認ください
チームでの共同作業Collaborators
Teams
Enterprise
Collaboratorsオプションは、ソロの開発者に適しています。Teamsオプションでは、ユーザーが5名以下の場合、追加料金はかかりません。
ただしTeamsオプションでユーザーが25名を超えるチームの場合は、エンタープライズプランでのみ利用できます。
月額$10
CI/CD オプションパイプライン
レビューアプリ
CI
CI Enterprise
基本的なワークフローとパイプラインは無料で利用できます。UXテストのような高度なものは、有料プランでのみ実行できます。パイプライン1つにつき月額$10/
サポートStandard
Premium
Enterprise
Standardサポートプランでは、臨時のトラブルシューティングのサポートが受けられます。月額$1,000 から利用可能

Herokuの特徴

Herokuのサービスは大きく4つに分類されています:

  • Heroku プラットフォーム
  • Heroku データサービス
  • Heroku エンタープライズ
  • Heroku チーム

では、それぞれのサービスを個別に見ていきましょう。

Heroku プラットフォーム

HerokuのPaaS・サービスとしてのプラットフォームは、開発者にとって必要なインフラ管理作業を軽減します。アプリケーションのデプロイを容易にするためのさまざまな機能を提供しています。

また、Herokuでは便利なアプリケーション管理と最適なスケーリングのためのオプションが用意されています。開発者にとって嬉しいことにHerokuは、Java、Python、Ruby、 PHPなど多くのプログラミング言語をサポートしています。

  • Heroku Runtime –  Herokuでは、Dynoと呼ばれるコンテナ上でアプリケーションを実行します。フルマネージドのランタイム環境が整っており、一般的に使用されている多くのプログラミング言語をサポートしています。
  • Heroku DX – Heroku DXは、アプリケーションを作成し、デプロイするのに役立つ、アプリ開発者向けの機能です。 
  • Heroku Elements – Heroku Elementsはユーザーがアクセスしやすいように、アドオン、ボタン、その他のリソースを集約したマーケットプレイスです。 
  • Heroku OpEX – Heroku OpExは、ユーザーがアプリケーションの問題を特定し、解決するのに役立ちます。OpExでは、運用ワークフローを正確にカスタマイズできます。 
  • セキュリティとコンプライアンス – Herokuのセキュリティとコンプライアンスには、SSL、認証、PCI、HIPAA、GDPR、SOC、その他の一般的なコンプライアンスのための機能がいくつか用意されています。  

Herokuのプラットフォームの中核となるのがDynoであり、先に説明したように、ユーザーの要求に基づいてコードを実行するのに最適な、それぞれが隔離されたコンテナです。

このアプローチの注目すべき利点は、開発者がインフラ管理に費やす時間を節約し、優れたアプリケーションの作成に集中できるという点です。

Herokuプラットフォームは開発者中心に構成されており、開発者に素晴らしい体験を提供します。このプラットフォームは、すべてのアプリケーションを管理するダッシュボード、RAM使用量などの重要なメトリックス、開発者がWebブラウザ内でアプリケーションをデプロイするためのボタンを提供しています。

また、ユーザーが自らワークフローを作成し、 継続的デリバリー、統合も可能です。ビジュアルインターフェース、ゼロキュータイムの継続的統合、オートスケーリングなどの機能を備えています

Heroku データサービス

Postgres、Redis、Apache Kafkaのフルマネージドのデータベースサービスを提供しています。セルフホスティングと比較してHerokuを使用する利点は、手間のかからないスケーリング、パフォーマンス、データのバックアップが挙げられます。

  • Heroku Postgres – Heroku Postgresは、マネージドSQLデータベースを提供しています。Postgresデータベースには、Herokuがサポートするすべての言語でPostgreSQLドライバを介してアクセスできます。 
  • RedisのためのHerokuデータ  – Heroku Redisは、アドオンとして提供されるキー/値データストアを指します。Herokuがサポートするすべてのフレームワークと言語から、Redisドライバを介してアクセスできます。 
  • HerokuApache Kafka  – Apache Kafkaは、Apache Software Foundationによって提供されている、JavaとScalaで書かれたストリーム処理プラットフォームです。リアルタイムのユースケースを想定した、低遅延のプラットフォームをユーザーに提供します。 

Herokuのデータサービスでは、人気のオープンソースプロジェクトと連携、クラウドの専門家によって最適化/管理された環境が提供され、開発者は優れた体験を享受できます。

 Heroku エンタープライズ

Heroku エンタープライズは、大企業向けのサービスで、プロバイダーの機能と開発機能を融合し、大きな事業向けの管理機能とガバナンス機能を提供します。

  • Heroku Connect – Heroku エンタープライズには、Heroku Connectが付属しており、Connect SKUを介して利用できます。これを利用するにはエンタープライズの契約が必要となります。 
  • Heroku Private Spaces – Private Spacesは、高いコンプライアンス要件を持つアプリの作成に適した機能を提供します。Shield Private Space SKUを介して利用できます。
  • Heroku Shield – Heroku Shieldは、高いコンプライアンス要件を持つアプリの、セキュリティを向上させるためのサービスを提供します。 

エンタープライズでは、HIPAA、PCI、ISO、SOCなどの複数の規制に準拠するためのサービスを提供しています。Herokuを使用することで要件を満たすことが容易になり、また、データの制御、規制に準拠すべき業界のアプリケーションに対応するよう設計されています。

 Heroku チーム

Heroku Teamsは、開発者とその仲間がコラボレーションするための管理機能です。Herokuのユーザー間のコラボレーションを可能にし、権限の変更、管理、リソースの設定などができます。

その特徴は以下の通りです:

  • ピアツーピアでのコラボレーション
  • コラボレーション、請求、アプリケーション管理の統合
  • コラボレーションによる安全かつ高速なアプリ開発

HerokuとAWSは同じ?

AWSとHerokuはどちらもモバイルアプリの開発、管理、デプロイの要件に応じて、世界中の開発者や企業に検討されている人気のクラウドサービスです。

両者には関連がありますが、全く同じものではありません。Herokuは、AWSのプラットフォームを利用して開発されたPaaSサービスです。 

 HerokuAWSの違い

  • HerokuはPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)であり、AWSはIaaS(サービスとしてのインフラ)です。
  • Herokuはマネージドサービスであるのに対し、AWSはいくつかのセルフホスティングの選択肢を提供しています。
  • Herokuはユーザーのインフラを処理し、その一方でAWSは、IaaSの一部として管理されるインスタンスとサービスへのアクセスをユーザーに提供します。
  • Herokuは一般的にAWS EC2よりもコストが高くなります。

Herokuの代替 

もしHerokuの代替プラットフォームをお探しなら、他を調べる必要はありません。ここからは、上位のHeroku代替サービスを紹介します:

Back4app 

Back4appは、Herokuの代替として、エキサイティングでユニークなサービスの1つで、開発者が最良の方法でアプリケーションを開発、デプロイ、管理できるようデザインされています。

このBaaSは、可能な限り最善の方法で完璧なアプリケーションを作成するための、よりわかりやすく、迅速なソリューションを提供しています。 

オープンソースのBaaS(バックエンド機能を代行するクラウドサービス)で、さまざまなツール、サービス、統合を提供し、アプリケーションの開発とデプロイを容易にします。 

AWS Elastic Beanstalk

AWS Elastic Beanstalkは、PHP、Ruby、Java、その他いくつかの言語をベースとしたアプリケーションに使用されるアプリのデプロイメントサービスです。簡単なコードのアップロード、自動デプロイメント、ロードバランシングなどの機能を提供しています。 

EngineYard

Engine Yardは、効率的なクラウドアプリの管理、監視、プロビジョニングを可能にするクラウドアプリケーション管理サービスです。このプラットフォームは、企業が堅牢なアプリを作成するためのアプリクラウドと継続的なサポートを提供します。

Google App Engine

Google App Engineは、開発者がGoogleのクラウドプラットフォーム上で高性能かつ柔軟なアプリケーションを構築できるようデザインされたPaaSです。Googleのデータセンターの力を借りて、アプリケーションを構築できます。

Parse 

Parseは、BaaS市場のリーダー的存在の1つで、最適な方法でアプリケーション開発プロセスを改善するためにデザインされた、幅広いサービスを提供しています。 

このプラットフォームをサポートする開発者の大規模なコミュニティが、その機能とサービスを継続的に強化するために役立っています。

Parseは、Webおよびモバイルアプリケーションの開発プロセスを簡単、便利、効果的にするためのツールと、その統合を提供します。

Digital Ocean

Digital Oceanは、ユーザーにDropletsと呼ばれるVPS・仮想専用サーバーを提供しています。Digital Oceanのアプリケーションは、Web UIとコマンドラインから管理できます。ユーザーは、Dropletのサイズをカスタマイズし、アプリケーションのデータセンターとリージョン・地域を選択できます。

現在は、App PlatformというPaaS製品を提供しており、開発者がアプリケーションを作成、デプロイ、スケーリングできるよう支援しています。これは、インフラ全体を扱う完全なマネージド・ソリューションだと言えます。

Firebase 

Firebaseは、Webとモバイルのアプリケーション開発において、開発者を支援する堅牢なプラットフォームです。Firebaseは、高い拡張性、柔軟性、そして誰もが納得する効果的な選択肢と言えます。

その幅広いサービスとツールは、開発者に多くの利点を提供します。開発者がすぐに使えるAPIとバックエンドで、Webやモバイルアプリケーションを接続できます。

Herokuのおすすめ代替サービスの詳細については、引き続きお読みください。

おわりに

Herokuは、2012年にSalesforceによって買収された信頼あるPaaSです。その利点は、無料枠、使いやすい/開発者中心のプラットフォーム、スケーリング可能なホスティングであることが挙げられます。また、その制限としてはアプリのスリープ、割高な価格体系、データセンターの場所・リージョンが限定されている点が挙げられます。 

Herokuの主な特徴は、包括的なPaaSプラットフォーム、データベースサービス、コラボレーションツール、大企業向けのサービスなどです。

その競合としては、Back4app、AWS Beanstalk、Digital OceanのApp Platformが、名を連ねています。


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