PaaSとは?(Platform-as-a-Service)
この記事では、PaaSに関するさまざまな情報をまとめてお届けします。市場規模、特徴、その長所や短所、活用例、プロバイダなどについても取り挙げています。
企業やプログラマーは、インフラの導入や管理に時間を費やすよりも、自らの経験を活かし、コーディングに集中したいと考えるものです。
その点で、クラウドコンピューティングのPaaS(プラットフォームをサービスとして提供)の活用は、理にかなっていると言えます。PaaSは、インフラ、DBMS、ミドルウェア、追加の開発ツールなどに手間をかけることなく、アプリケーションのセットアップ、実行、テスト、アップグレードができる人気の高いクラウドサービスです。
あなたがPaaSの初心者であったり、プラットフォームをネット経由のサービスとして提供するPaaSについてのより詳しい情報をお探しなら、ぜひこの記事を参照ください。この記事では、PaaSの長所、短所、使用例から最適なPaaSプロバイダーの選び方まで、PaaSに関するあらゆることをご紹介します。
Contents
- 1 サービスとしてのプラットフォーム・PaaSの定義
- 2 PaaSはどのように機能するのか?
- 3 PaaSの特徴
- 4 サービスとしてのプラットフォーム・PaaSの利点
- 5 PaaSにおける制限
- 6 サービスとしてのプラットフォーム・PaaSの使用例
- 7 PaaSはどんな人が使うべき?
- 8 PaaSサービスの種類
- 9 サービスとしてのプラットフォーム・PaaSと他のクラウドモデルとの比較
- 10 サービスとしてのインフラ・IaaS
- 11 サービスとしてのコンテナ・CaaS
- 12 サービスとしてのバックエンド・BaaS
- 13 サービスとしてのソフトウェア・SaaS
- 14 iPaaS
- 15 PaaSの市場規模
- 16 PaaSのトッププロバイダー
- 17 Back4App
- 18 Heroku
- 19 Engine Yard
- 20 Render
- 21 Google App Engine
- 22 Platform.sh
- 23 Red Hat OpenShift
- 24 Railway.app
- 25 Fly.io
- 26 Dokku
- 27 おわりに
- 28 PaaSとは?
- 29 PaaSの長所と短所は?
- 30 PaaSプロバイダーのトップ10は?
サービスとしてのプラットフォーム・PaaSの定義
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)は、インターネット上でプラットフォームやITインフラを提供するクラウドを活用したサービスです。PaaSが提供するのは、アプリの開発者が、ハードウェアの管理やソフトウェアのメンテナンスにわずらわされることなく、アプリケーションを構築、展開、管理、拡張できる環境・プラットフォームです。
PaaSはどのように機能するのか?
PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)は、ソフトウェアとインフラのリソースを企業に提供する、クラウドコンピューティング(ネット経由で使用できるコンピューター機能)の1つです。
この幅広い機能を提供するクラウド環境は、企業がアプリケーションをデプロイ、ホスト、作成、管理、更新、およびテストするのに役立ちます。
つまり、PaaSプラットフォームを活用することで、ハードまたはソフトウェアの自社管理・オンプレミス運営から、アプリの構築に専念できるようになるのです。PaaSが提供する主なサービスは:
- ストレージ、サーバー、コンピューター機能、インターネットを介したネットワーキングなどのインフラリソースを提供
- アプリケーションを設計・構築するための開発ツールの提供
- ファイアウォールやその他のセキュリティ機能を提供
- ホスティング、デプロイメント、デバッグ、およびテストを支援
- データベースの統合と管理をサポート
概要を理解いただいたところで、気になるPaaSベンダーの公式ページにアクセスし、サービスを検討してみても良いかもしれません。多くのPaaSプロバイダーは、ユーザーに無料枠を提供していますが、従量課金制プランから始めるのが簡単かもしれません。有名なPaaSのプラットフォームとしては、AWS、Back4App、Heroku、OpenShift、Amazon Azureなどがあります。
PaaSの特徴
PaaSの主な特徴をご紹介します:
コンテナ ランタイム
コンテナには、通常、アプリの実行に必要な機能が集約されています。これは、アプリケーションの構築、ホスティング、タスクを実行するために重要な役割を担います。
さらに、コンテナ化されたアプリケーションは、共有、または専用コンピュータを利用して、さまざまな処理を実行します。一方、コンテナランタイムは、コンテナが所定のOSでオペレーションを実行できるようにするためのプログラムです。
もちろん、コンテナは標準化され、安全で限定された方法でセットアップされる必要があります。つまり、コンテナランタイムはこういった責任をすべて担うことになります。コンテナランタイムは、いくつかのセキュリティの境界を作り、異なるアプリケーション間のリソースの消費を制限するのです。
マネージド・インフラストラクチャ
マネージド・インフラストラクチャもPaaS特有の便利なサービスの1つです。PaaSでは、IaaSが提供するすべてのリソースを含み、それにはサーバー、ネットワーク、ストレージ、コンピュート、セキュリティなどが含まれます。
さらにPaaSは、開発者に開発ツール、データベース管理、オペレーティングシステム、分析、ビジネスインテリジェンスを提供することで、管理されたITインフラの活用をサポートします。
これらのソフトウェアとハードウェアの保守・管理は、PaaSプロバイダーに完全に任せることになります。
アプリの設計、テスト、開発ツール
PaaSプロバイダーは、ハードウェアのサポートだけでなく、ソフトウェアのリソースも提供しています。スクリプトエディター、コンパイラ、デバッガーなどのソフトウェアツールは、アプリケーションの開発、設計、テストを支援します。また、これらのツールは、Webブラウザからリモートでアクセスして使用できます。
ミドルウェア
PaaSベンダーは、マシンのOSとエンドユーザーのアプリケーション間の橋渡し役を果たし、プログラマーがマウスとキーボードを使って入力することを許可します。
そのため、PaaSの利用者はミドルウェアを作成するために、開発者を雇う必要がなくなります。しかし、アプリのエンドユーザーは、ミドルウェアにアクセスすることはできません。
データベース
PaaSはリアルタイムにデータベースを提供し、定期的にメンテナンスを実行してくれるというのもありがたい機能の1つです。この点でPaaSベンダーは、企業や開発チームに、一貫した管理またはDBMSを備えたさまざまなタイプのデータベースのサポートを提供していると言えます。
監視・管理ツール
PaaSベンダーは、アプリのデプロイ、ホスティング、構築を支援するだけでなく、アプリケーションを監視・管理するためのサービスも提供しています。
PaaSプロバイダーは、さまざまなビジネスインテリジェンス(BI)製品を提供しています。代表的な管理・監視ツールとしては、Amazon QuickSight、Amazon CloudWatch、Microsoft Cloud Monitoringなどがあります。
オペレーティングシステム
PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)には、OS(オペレーティング・システム)の提供や管理も含まれます。通常、プログラマーがアプリを実行する際に、このOSが使用されます。
ビルトインのセキュリティ
もう1つの特徴的な機能は、PaaSにあらかじめ組み込まれたセキュリティです。PaaSベンダーは、さまざまなセキュリティ・プロトコル、保護されたイベントログ機能、暗号化方式、トークン管理などをユーザーに提供しています。
さらに、PaaSは、アプリのデプロイとその実行中に、先進的なセキュリティを利用することも可能にします。
スケーラビリティ
ほとんどのPaaSプラットフォームは、リソースの水平または垂直スケーリングを提供しており、インフラリソースの拡張に煩わされる心配から開発者を解放してくれます。
つまり、PaaSベンダーを利用すれば、プログラミングチームはコーディング作業に集中でき、CPU、ハードウェア、ソフトウェアソースの拡張はサービスプロバイダに任せることができるのです。
オートスケール以外の方法を希望する場合でも、PaaSを使用すれば、数回クリックするだけで、インフラのリソースを拡張または縮小することも可能です。
継続的インテグレーションとデリバリー
継続的インテグレーション(CI)により、プログラマーは定期的に共同リポジトリでコードの調整ができるようになります。
このプロセスで、スクリプトも検証されます。CIは開発の効率を高め、開発者は大きな確信を持って迅速にアプリケーションを構築できるようになります。
同様に、継続的デリバリー(CD)も、開発チームが短期間でアプリケーションを作成、起動、テストすることを可能にします。
この手法を使えば、開発者はリリース前にアプリを手動でテストする必要がなくなります。開発期間とコストを削減できるということです。
サービスとしてのプラットフォーム・PaaSの利点
PaaSの主な利点をご紹介します:
シンプルさと利便性
企業や開発者にとって、PaaSプラットフォームは非常に便利で、利用も簡単です。PaaSベンダーはソフトウェアツールやインフラリソースを提供し、一方、プログラミングチームや企業はインターネット経由でそれらにアクセスできます。
つまり、PaaSプロバイダーを利用すれば、ウェブブラウザを通じて、世界中のどこからでもこれらのリソースを利用できるようになるということです。
このクラウドモデルの活用によって、企業は設備投資や自社運用のインフラの保守管理から解放されます。ユーザーはサブスクライブするだけでサービスにアクセスでき、使用内容に応じた料金プランを適用できます。
アプリ開発におけるエンジニアの労力を軽減
PaaSベンダーは、アプリケーション構築を担うエンジニアリングチームの負担を軽減してくれます。PaaSプラットフォームには、ネットワーク、データベース、コンパイル、ストレージ、テスト、スクリプトの編集、アプリのバージョンアップなど、数多くのサービスが備わっています。
そのおかげでソフトウェア・エンジニアは、アプリを迅速かつスムーズに構築できます。さらには、PaaSを利用することでITチームは、ハードウェアの構造を気にかける必要がなくなります。
市場への投入の時間を短縮
従来のアプリの開発方法と比較すると、クラウドモデルを使用したアプリの構築とデプロイの方が、開発を迅速化できます。
PaaSを活用することで開発者は、スクリプトとプログラムのテストに集中することになります。
このクラウド・コンピューティングの利点を活かした結果、スタートアップ企業や大企業は、市場投入までの時間を短縮することができるのです。また、システムをオンプレミス環境・自社運用している競合他社の優位に立つこともできます。
インフラの管理不要
ITインフラの管理が骨の折れる仕事であることは言うまでもありません。ハードウェアの導入費用だけでなく、ソフトウェア、メンテナンス、エネルギーコストなど、さまざまな負担も発生します。PaaSベンダーは、このような頭痛の種から企業を解放してくれます。
マルチプラットフォームでの開発
PaaSを選択するということは、開発者はプラットフォームごとに異なるコードを設計する必要がなくなるということです。AWSやAzureなどの著名なPaaSベンダーにより、プログラマーは、モバイル、Web ブラウザー、デスクトップなどのさまざまなプラットフォーム向けのアプリケーションをデプロイ・作成できるようになります。
アプリのライフサイクル管理
このクラウドモデルを使用するもう1つの利点が、アプリケーション・ライフサイクル管理(ALM PaaS)です。この支援機能は、アプリの開発、成長、機能、ガバナンスを、アプリが存在する間、継続的に管理してくれます。
さらに、PaaSベンダーがこのサービスを提供しているため、開発者はALMツールを別途購入する必要はありません。また、ALM PaaSツールは、オンプレミス(自社運用)とクラウドの両方で使用できます。
動的スケーラビリティ
通常、アプリケーションが成長するにつれて、より多くのCPU、ストレージ、およびメモリ・リソースが必要になります。このような状況下で、リソースを動的に拡張するための最適な解決策を、PaaSプラットフォームは提供しています。PaaSを使用している間は数回クリックするだけで、インスタンスとリソースをあっという間に取得できます。
PaaSにおける制限
コントロールと柔軟性の欠如
PaaSベンダーを利用する際の最大の懸念は、コントロールと柔軟性の低さです。特に自社で保有し運用するオンプレミス環境での運営方法と比較すると、企業や開発者はデータセンターやインフラリソースをコントロールできません。
また、PaaSベンダーで何らかの障害が発生したり、災害が発生したりした場合には、ユーザーにもその影響が及ぶ可能性があります。
IaaSの実装と比較するとコストが高くなる
IaaSとPaaSの、導入にかかるインフラコストを比較すると、PaaSのコストは割高になるので、開発者はIaaSの実装の方が安上がりだと考えがちです。しかし、IaaSを利用する場合、ソフトウェア・リソースを別途購入する必要があることも忘れてはいけません。
ベンダーロックイン
PaaSを使用する際の大きなデメリットが、ベンダーロックインです。企業は自社のアプリケーションを別のPaaSプラットフォームへ移行するのは大変なことだと考えます。アプリのデータを移行することは手間がかかり、ダウンタイムが発生することも考慮しなければいけません。
プログラミング言語によっては対応していない可能性がある
主要PaaSプロバイダーは、一般的に使用されているプログラミング言語をサポートしています。しかし、PaaSプラットフォームによっては、サポートしていない言語が存在することも事実です。
また、PaaSベンダーがサービス変更に伴い、特定のプログラミング言語のサポートを停止した場合、それが大きな問題となる可能性があります。
既存の構造との互換性
もう1つ、このクラウドモデルを使用する際の制限となる可能性があのが、新しく採用したPaaSサービスと既存の構造との互換性です。特に、異なるベンダーのPaaSサービスを組み合わせて使用している企業にとって問題となる可能性があります。
PaaSプラットフォームを使用するメリットとデメリットについて詳しくは、PaaS – 長所と短所を参照ください。
サービスとしてのプラットフォーム・PaaSの使用例
さまざまな場合においてPaaSプラットフォームの利用は、理想的な環境をもたらします。ここでは、PaaSの主なユースケースをご紹介します:
Webアプリケーションの開発
Webアプリケーションの利用は、世界中で雪だるま式に広がっており、各企業はWebアプリを通じて、オンラインでの立場を確かなものにしたいと考えているはずです。Webアプリケーションの開発は、初心者には少し複雑に思えるものの、PaaSがそれを簡単なものに変えてくれました。
利用者の視点でデザインされたPaaSのインターフェースにより、開発者は高度なWebアプリケーションを数分で構築、実行、テストできるようになったのです。
モバイルアプリケーションの開発
PaaSベンダーは、モバイル・アプリの構築と実行を成功させるために必要な存在だといえます。ドラッグ&ドロップによる開発環境は、モバイルアプリケーションの開発プロセスをスピードアップするだけでなく、コードの削減も可能にします。
それには、ユーザー認証、プッシュ通知、ソフトウェア開発キット(SDK)、リアルタイムデータベース、クラウドストレージといった機能が役立ちます。
API
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、高度なアプリケーションが、既存の機能、アーキテクチャをアプリの新しいセクションと接続するために活用されています。幸い、PaaSプラットフォームにはAPIやマイクロサービスの開発とデプロイに最適な環境が整っています。
ビジネスインテリジェンスとアナリティクス
アナリティクスとビジネス・インテリジェンス(BI)に対するPaaSのサポートは、驚くほど充実しています。アプリケーションのリアルタイムのパフォーマンスに関する情報とツールを提供します。これらの分析情報は、企業が投資、製品の設計、ビジネス上の決定を行う際にも役立ちます。
データベース
データベースのデプロイメントと管理機能も、PaaSモデルの長所です。PaaSベンダーには、安全で拡張性が高く、信頼できるデータベースやDBMSをユーザーに提供する責任があります。
拡張性の高いデータベースやクラウドストレージ、データ管理サービスを探しているのであれば、PaaSを検討する価値は大いにあります。
コミュニケーションとコラボレーション
チームワークやコミュニケーションのためのより良いシステムを求めている場合にも、PaaSは信頼できる選択肢として挙げられます。PaaSを利用することで、音声、ビデオ、テキストメッセージなどのコミュニケーション機能をアプリに追加できます。
ワーカーシステム
ワーカーシステムは、大規模なアプリケーションに不可欠であると考えられています。これらのシステムは、バックグラウンドタスク、スケジュールされたタスク、定期的なタスクを継続的に実行することを可能にします。Webフックによるイベントの処理、メール送信、画像処理などは、ワーカーシステムの一般的な用途です。
IoT
PaaSプラットフォームは、IoTプロジェクトにおいても優れたサポート機能を提供します。IoTのデプロイメントに役立つツール、プログラミング言語、クラウド環境を備えています。
PaaSはどんな人が使うべき?
個人の開発者
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)は、さまざまなソフトウェアツールが組み込まれたアプリをホストするためのハードウェアサポートを必要としている個人の開発者にとっても、理想的なサービスだといえます。この充実したサポート機能のおかげで、開発者はコーディング作業に専念できます。
スタートアップ企業
スタートアップ企業は通常、自社運用のインフラをインストールして管理するために十分な予算を持ち合わせていないものです。
そういった場合でも、PaaSプラットフォームを利用することで、サーバー、データベース、ネットワーク、BI、アナリティクス、OS、ストレージ機能へのアクセスを可能にします。
スタートアップ企業は使用したリソースに対する料金だけを支払えば良いのです。スタートアップ企業にとって、PaaSは手頃な選択肢だといえます。
ソフトウェア開発企業
ソフトウェアの開発企業にとって、社内でホストするソフトウェア開発プラットフォームは負担が大きくなります。
PaaSベンダーの利用は、オンプレミス・自社運用のインフラにかかる費用を削減できるだけでなく、市場投入までの時間を短縮し、生産性を向上させることができます。
また、PaaSのサービスはすべてオンラインで利用できるため、PaaSを利用する企業のソフトウェア開発チームが世界のどこにいても、開発に関わることができます。つまり、リモートチームの雇用やアクセスのカスタマイズもシームレスに行うことができるということです。
大企業
クラウドやソフトウェア開発サービスに初めて足を踏み入れる企業や、自社運用のインフラを扱うには負担が大きすぎると考える企業も、PaaSを利用できます。
自社でサーバーを保有し管理するために大規模なインフラと人材を必要とする大企業にとっても、PaaSプラットフォームは非常に有効です。
PaaSを使用することで企業は、経費、管理に必要な技術スタッフ、電気代などを節約できます。
PaaSサービスの種類
PaaSの主な種類を紹介します:
パブリック
パブリックPaaSは、ネットワーク、サーバー、ストレージ、アナリティクスなどのインフラコンポーネントとソフトウェアサポートをパブリッククラウドで管理・提供しています。パブリックPaaSは、オンラインで簡単にアクセス可能です。また、多くのパブリックPaaSは無料枠が用意されており、使用した分だけ支払う従量課金制がほとんどです。
パブリックPaaSは、ソフトウェアやハードウェアのフレームワーク管理の心配がない反面、ベンダーロックインやセキュリティの欠如が欠点となります。
プライベート
プライベートPaaSは、内部またはプライベートクラウドに仮想化されたリソースを提供しています。このタイプのクラウドは、企業にプライバシーを与えるだけでなく、パブリックPaaSと比較すると、より多くのコントロール権限をユーザーに与えます。高いスケーラビリティ、エンタープライズレベルのセキュリティ、柔軟なインスタンスなどが、プライベートPaaSのメリットです。
しかし、プライベート・クラウドはオンプレミスのインフラを使用するため、企業はその管理、アップグレード、インストールに気を配る必要があります。
ハイブリッド
ハイブリッドPaaSは、基本的にプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方を組み合わせたもので、企業はクラウドサービスとオンプレミスのデータセンターの、両方の利点が得られます。
このタイプのPaaSは、すでにプライベート・クラウドを使用していて、運用拡大のためにパブリック・クラウド・サービスを利用したいと考えている企業に有効です。
サービスとしてのプラットフォーム・PaaSと他のクラウドモデルとの比較
PaaSと他のクラウド・コンピューティング・モデルの違いは、こちらでご確認ください:
サービスとしてのインフラ・IaaS
IaaS(サービスとしてのインフラ)は、ネットワーク・ファイアウォール、サーバー、セキュリティ、ストレージなどの仮想化ツールを提供するクラウド・コンピューティングの一形態です。
大企業やスタートアップ企業、開発者は、使用量に応じた料金プランでIaaSプラットフォームを利用できます。
ビジネスの継続性、高い拡張性、柔軟性、迅速な開発、支出をおさえられる点などが、IaaSモデルを利用するメリットとなります。
PaaSとIaaSの違い
IaaSプラットフォームはシステム管理者のみを支援するように設計されていますが、PaaSはDevOpチーム、プログラマー、データベースやインフラの管理者を支援するものです。
IaaSプラットフォームは、データセンターのセットアップと、ストレージ、サーバー、ネットワーク機能の提供のみを担当します。PaaSはIaaSと同様OSも提供しますが、開発ツール、BI、その他のソフトウェアツールも提供します。
PaaS製品は適応性が高いため、より快適に利用できる一方、IaaSはOSを扱うための、より多くの権限がユーザーに与えられます。
IaaSプロバイダーの例
Microsoft Azure、Google Cloud、DigitalOcean、Linode、RackSpaceなどが代表的なIaaSプロバイダーです。
サービスとしてのコンテナ・CaaS
CaaS(サービスとしてのコンテナ)もまた、クラウドサービスの一種で、ソフトウェアエンジニアは、コンテナ化された環境でアプリケーションを展開、拡張、管理、実行できるようになります。
よりポータブルで安全、かつスケーラブルなコンテナ型アプリケーションを迅速に構築したいと考える企業や開発者におすすめのサービスです。
PaaSとCaaSの違い
CaaSは、仮想化されたコンテナにクラスタとアプリを設定し、管理するクラウドサービスです。一方、PaaSは、インフラとソフトウェアリソースを提供することで、アプリの構築、デプロイ、ホスト、実行を行う仕組みになっています。
CaaSは、アプリケーションの特定のコンポーネントをより詳細に制御する必要がある場合に適しています。
一方PaaSは、サーバー、ストレージ、DevOps、BI、ネットワークに対するビジネスの要件を満たせる解決策が揃っています。
CaaSプロバイダーの例
主なCaaSプロバイダーには、Google Container Engine、AWS Container Service、Rancher、Dockerなどがあります。
サービスとしてのバックエンド・BaaS
サービスとしてのバックエンド・BaaSのクラウドモデルでは、CSP(クラウドソリューションプロバイダー)がすべてのサーバーサイドの管理運営を引き受け、企業はフロントエンドの開発に専念することになります。
BaaSプロバイダーは、リアルタイムデータベース、認証、SDK、ファイルストレージ、クラウド機能などを、開発者や企業に提供します。
PaaSとBaaSの違い
PaaSを使用することで、インフラの導入、メンテナンス、構成にかかるコストの削減が期待でき、BaaSベンダーは、バックエンドを気にせずにアプリを構築、実行するためのローコードまたはノーコードプラットフォームを提供します。
BaaSは、データベース管理、クラウドストレージ、サーバーレス環境など多くの機能を提供しますが、PaaSのようにサーバーへのアクセスはできません。
BaaSプロバイダーの例
有名なBaaSプロバイダーとしては、Back4App、AWS Amplify、Parse、Backendless、Firebaseなどがあります。
サービスとしてのソフトウェア・SaaS
IaaSとPaaSを組み合わせた包括的なクラウドソリューションで、顧客がアプリをクラウド上で統合できるようにするのが、サービスとしてのソフトウェア・SaaSです。Microsoft OfficeツールやメールサービスなどがSaaSにあたります。
PaaSとSaaSの違い
PaaSは、アプリを簡単に構築・実行するための環境が揃っているので、ソフトウェア・リソースやハードウェア・ツールの導入・管理が楽になります。SaaSは、エンドユーザーにソフトウェアの機能を届けることに特化しています。
PaaSモデルの多くは従量課金制ですが、SaaSベンダーの大半は一定の初期費用を支払う仕組みとなっています。
SaaSプロバイダーの例
代表的なSaaSプロバイダーとしては、HubSpot、Salesforce、Google Workspace、ServiceNowなどがあります。
iPaaS
iPaaS(インテグレーションPaaS)は、CSPがアプリケーション、データ、クラウド、オンプレミス環境間の円滑な統合を担うコンピューティング・モデルです。iPaaSを利用することで、企業はハードウェアをインストールしたり、ミドルウェアを使用してアプリの統合を実行する必要がなくなります。
PaaSとiPaaSの違い
PaaSを使用すると、プログラミングチームはデプロイと開発に集中でき、一方iPaaSはアプリやAPIなどの間の接続を簡素化してくれます。またiPaaSでは、クラウドやオンプレミス(自社運用)環境でも、データがリアルタイムで自由に接続できるようになります。
iPaaSプロバイダーを使うことで、営業とマーケティングのオペレーションを調和させ、データ通信をアップグレードさせられます一方、PaaSでは、このような最新のアプリ間またはデータの統合機能は一般的に導入されていません。
iPaaSプロバイダーの例
優れたiPaaSとしては、Dell Boomi、WorkatoIBM App Connect、Zapier、MuleSoftなどが挙げられます。
PaaSの市場規模
魅力的で価値ある機能を提供するサービスとして、PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)の市場規模は、ここ数年で急速に拡大しました。Statistaのレポートによると、2022年のPaaS業界の売上高は836億9000万米ドルに達すると推定されています。また、2027年のPaaS業界の市場規模は、年間19.71%の成長率を見込み、1885億米ドルに達すると予測しています。
また、MarketsandMarketsの調査・予測レポートによると、APaaS、DPaaS、IPaaSなどのPaaS製品の市場成長は、2026年までに、その価値は1643億米ドルに達すると見込んでいます。また、このレポートでは、Covid-19がテクノロジーの世界におけるPaaS製品の需要を加速させる要因となったと言及しています。
さらに、PaaS業界は近い将来に飛躍するだけでなく、長期的に見ても成功する余地は大きいとも述べています。同様に、 Allied Market Researchは、ミドルウェアとインフラサービスの提供により、PaaS産業は2030年までに3190億米ドル規模に達すると予測しています。2020年のPaaSの市場規模は、440億USDに過ぎませんでした。それを考えると、PaaSの市場規模は、年間22%の成長率で拡大する可能性があるともいえます。
総体的に、プログラミングチームや企業は、アプリやシステムをデプロイ、ホスト、構築するためのPaaSプラットフォームに大きな関心を寄せています。数字が示すように、PaaSの市場規模は日々拡大しているのです。
PaaSのトッププロバイダー
PaaSに関して調べ始めてみると、人気のPaaSプロバイダについて知りたくなるはずです。ここでは、PaaSの代表的なプロバイダー10社をご紹介します:
Back4App
Back4Appは、2015年に設立されたクラウドコンピューティングサービスのプロバイダーです。ITインフラの手間をかけずにアプリをデプロイ、作成、実行、管理するための、さまざまなサービスを提供しています。
Back4Appは、インフラやデータベースの管理、ストレージ、コンテナサービス、認証、その他多くのPaaSの機能を企業やプログラミングチームに提供しています。
Parseプラットフォームによる力強いバックアップがあるため、Back4Appは月間35億件に上るリクエストを処理する能力を備えています。Two4Tea、VantageBP、そしてAdobeがBack4Appの主な顧客として名を連ねています。
特徴
コンテナサービス – Back4Appはコンテナサービスに関して、Herokuの代替にできるサービスを提供しています。Herokuは無料枠を終了してしまいましたが、Back4AppはPaaSのコンテナ化されたサービスを提供しているので、無制限のプロジェクトをホストできます。このプラットフォームを選択すれば、Back4Appがインフラを安全に管理してくれます。
マネージドサーバー – マネージドサーバー(サーバーの管理を業者が代行)を利用することで、Back4Appを利用したプロジェクトの生産性は間違いなく向上するはずです。SDKの統合、データモデリング、イベントログ、プッシュ通知などをマネージドバックエンドで簡単に行えるようになります。
リアルタイムのデータベース – Back4Appを使えば、開発者は数分でデータベースを再構築できます。つまりユーザーはライブのデータクエリを実行できるだけでなく、オフラインの状態でもローカルに保存されたデータにアクセスできるということです。
クラウドストレージ – このBaaSでは、データのインポートやエクスポートも簡単に行えます。画像、広告、動画など、あらゆるタイプのデータファイルをクラウド上に保存し、データベースに接続することができます。
SDKとAPI – ソフトウェア開発キットとAPIの強力なサポートのおかげで、プログラミングチームは短時間でアプリのバックエンドを構築、実行、ホストできます。
価格
Back4Appには無料枠があります。スタートアップ企業や初心者の開発者で、月単位で、25kリクエスト、1GB転送、ファイルサポートだけで十分な場合は、無料で使用できます。また、より多くのインスタンスが必要な場合は、MVPプランが用意されているので月額15ドルから始められます。
ユーザー単位の価格プランを希望する場合でも、Back4Appには従量課金プランが用意されているので、こちらを検討してみてもいいかもしれません。従量課金とDedicatedプログラムの月額料金は、それぞれ80ドル、400ドルからとなっています。ちなみに、Dedicatedプランは、企業のインフラニーズを満たせるだけのモデルとなっています。
PaaSのその他の例については、引き続きお読みください。
Heroku
Herokuは、2007年にサービスを開始したトップクラスのPaaSプロバイダです。当初Herokuは、Rubyのプロジェクトのみを対象としていました。しかし現在では、PHP、Node.js、Java、Go、Pythonなど、主要なプログラミング言語をサポートするPaaSプラットフォームとなっています。
Herokuを使用している大手企業は、Accenture、StackShare、Hinge、 Camblyです。
特徴
Herokuランタイム – Herokuのこの機能では、管理された環境下でアプリの操作を実行できるようさまざまな機能が集約されています。このPaaSベンダーは、アプリを実行する開発者に、スケーラブルで安全なコンテナ化された環境を提供します。Dockerによるスムーズなデプロイ、設定、リリース管理もHerokuランタイムの利点です。
あらゆる顧客を対象 – Herokuは中小企業や大企業に適しているだけでなく、3人のスタートアップ企業であろうと、3000人の開発者を抱える会社であろうと利用可能です。
Heroku Postgres – このPaaSプラットフォームのデータサービスは、他のCSPと差別化されており、特にHeroku Postgresは定評があります。拡張性が高く、安全、オープンソースのSQLデータベースは、データ駆動型プログラミングに優れたサービスを提供します。
アプリMetrics – リアルタイムメトリクス(指標)機能のおかげで、今後のトラフィックの傾向をチームに知らせるだけでなく、CPUとメモリリソースの消費量を調べることができます。
価格
Herokuは提供していた無料枠のサービスのおかげで、プログラミング関連のコミュニティの間で大きな人気を得ました。しかし現在では、そのすべてのサービスが有料化されています。つまり、月に1000 dyno 時間が必要な場合でも、Ecoプランの枠となり、$5かかります。また、プロダクション環境用のStandardプランの場合の料金は$25/月からです。
その他のPaaSプロバイダの例については、引き続きお読みください。
Engine Yard
Engine Yardは米国を拠点とするPaaSプロバイダーで、2006 年にクラウドサービスの提供を開始しました。99.99% のアップタイムで、このPaaSでは1万2000以上のアプリケーションを日々正常に実行しています。管理されたインフラの下で、開発者はアプリケーションを迅速にデプロイできます。
何千ものプログラミングチームや企業がEngine Yardの恩恵を受けていますが、その主要な顧客は 、3Play Media、Freshdesk、Comestriです。
特徴
ローリング デプロイメント – Engine Yardは、ダウンタイムなしの継続的なデプロイメントを求める場合におすすめです。このPaaSベンダーは、高度なアプリを迅速にセットアップするための12原則に従います。
フル マネージド ホスティング – AWSアプリにフル マネージド ホスティングを希望する場合は、Engine Yardを使うといいかもしれません。クラウド ホスティングのサービスを利用できるだけでなく、Ruby、Node.js、Python、Java、PHPアプリ用にカスタマイズされたホスティング パッケージを利用することもできます。
アプリケーションの分析 – 初心者の開発者やスタートアップ企業は、PaaSを初めて利用する際に多くの問題に直面します。主に、アプリの要件以上のメモリとCPUを消費することが、大きな頭痛の種になることがあります。この点に関してEngine Yardは、顧客のプロファイルを分析し、そういったエラーを迅速に修正できます。
価格
Engine Yardへのユーザー登録は無料で、14日間は無料でサービスを試すことができます。また、登録時にクレジットカードの入力は必要ありません。ユーザーは、初心者向けのプランに対して毎月$25の支払いが必要になります。
Render
Renderは、コンテナ、Webアプリ、API、データベース、cronジョブをホストするためのもう 1 つの堅牢なクラウドソリューションプロバイダーです。Renderでは、パブリッククラウドやプライベートクラウドを通じて処理するため、企業はオンプレミス(自社運用)のインフラのメンテナンスやデプロイメントを心配する必要がなくなります。
さらに、このPaaSプラットフォームでのデプロイメントプロセスは、わずか数ステップで完了します。
特徴
IaC(コードとしてのインフラ) – Renderは、IaC・インフラをコードを用いて構築することにより、多くのサービス要件を満たします。このサービスは、render.yamlというファイルを作成して構築します。このファイルは基本的に複数の環境とデータベースなどで構成されています。
ダウンタイムなし – GitHubとGitLabを使ったアプリのデプロイが簡単であるばかりでなく、このPaaSプロバイダーではダウンタイムなしでアプリをセットアップできます。
永続的なディスク – Renderを使用する場合、ディスクストレージは継続的に使用されます。データベース、CMS、インフラ、コラボレーションアプリに十分なスペースを提供しています。
価格
ユーザーは、静的サイト、サービス、Redis、PostgreSQLを含むRenderプラットフォームの使用を、支払いやクレジットカード情報の入力なしで始められます。ただし、特定の日数や特定数のインスタンスを使用した場合、消費したリソースに対する支払いが発生します。
Google App Engine
Googleの管理下にあるインフラ上にアプリケーションをデプロイし、ホストしたい場合は、Google App Engineがあります。Googleは2007年にこのPaaSプラットフォームを導入し、ユーザーはこのプラットフォームを使用し、さまざまなGoogle Cloudのサービスを統合できます。
さまざまな技術スタックのためにGoogle App Engineを活用している企業には、Delivery Hero、YouTube、Stack、Snapchatがあります。
特徴
サポート言語 – Google App Engineは、Java、Go、Python、Node.js、Ruby、C#、PHPなど、人気のあるすべてのプログラミング言語をサポートしています。
動的なアプリケーション診断 – App Engineを使用すれば、アプリの動作と健全性をシームレスに調べることができます。この点では、Google Cloudのロギングとモニタリング機能が役立ちます。同様に、Cloud Debuggerも、技術的な不具合やバグに対処したいときに便利なツールです。
アプリのバージョニング – App Engineを使用すれば、開発チームはアプリのさまざまなバージョンに簡単に対応できます。異なるアプリのバージョンの構築、更新、テスト、ホスティング作業をスムーズに実行できます。
価格
Google App Engineでは、無料枠で限られたリソースを利用できますが、インスタンスが超過した場合は課金が発生します。プロジェクトコストを見積もるために、Google CloudにはPricing Calculatorと呼ばれる便利なツールが用意されています。
Platform.sh
ユーザーフレンドリーで爽やかなインターフェイスのPlatform.shもまた、使用を検討する価値のあるPaaSプラットフォームです。このPaaSプラットフォームは2010年にサービスを開始し、それ以来、IT企業、開発者、企業を影で支えてきました。
特徴
フレームワークとサポート言語 – Platform.shは70以上のフレームワークと言語をサポートしています。このプラットフォームを使えば、数回のクリックでプロジェクトをデプロイできます。主な言語とフレームワークは、Ruby、Go、Java、Node.js、Python、Drupal、Magneto、Django、WordPressです。
高速デプロイ – このPaaSベンダーは、競合他社よりも20倍のデプロイを可能にし、90%のDevOpのコスト削減を実現すると主張しています。デプロイの比率を高めるだけでなく、生産性の向上にも寄与するということです。
CI/CD – 継続的インテグレーションと継続的デリバリーも、Platform.shを利用する上での魅力的な機能です。高い効率性、少ないリスク、迅速な市場投入も、これらの機能の利点となります。
価格
Platform.shのプロフェッショナルプランでは、30日間の無料トライアルが用意されていますが、その標準デプロイメント料金は€40からになります。
Red Hat OpenShift
ハイブリッドクラウドサービスを利用したい企業や開発チームは、Red Hat OpenShiftの利用を検討するといいかもしれません。ハイブリッドなデプロイメントに役立つだけでなく、マルチクラウド、エッジ、オンプレミスのラインアップも見逃せません。
Red Hat OpenShiftの恩恵を受けている有名企業には、Adidas Runtastic、The Walt Disney Company、Accenture、Santander Technology があります。
特徴
サンドボックスコンテナ – アプリケーションが隔離された環境で実行される、厳密に制御されたコンテナです。このようなコンテナの使用は、安全で、リソースの消費を制限するだけでなく、リモートでの実行にも最適です。
高可用性 – OpenShiftは、インフラサポートが提供できなくなる頻度や時間を極力少なく抑えることを掲げ、災難が発生した場合のディザスタリカバリ・災害復旧サービスを提供します。
Helm – 開発者はOpenShiftでHelmを利用することもできます。このパッケージ・マネージャーは、アジリティ、ディストリビューション、再利用性を向上させます。
価格
OpenShiftには、2種類のプランがあります: クラウドサービスとセルフマネージドです。リザーブドインスタンス・RI の1時間あたりの料金は、0.076ドルからです。
Railway.app
Railwayは、プログラマーがスクリプトを作成すれば、残りを処理してくれる信頼性の高いインフラサービスプロバイダです。3つのステップを踏むだけで、Railway上にアプリケーションを数分で立ち上げることができます。
特徴
テンプレート – Railwayは70以上のテンプレートを提供しているので、ユーザーはアプリをデプロイする前に言語とデータベースを選ぶだけで済みます。
ユーザーフレンドリーなインターフェース – 従来のPaaSベンダーと比較して、Railwayはキーボード推奨派に優しく、数クリックですべての機能を探索できます。
デプロイのロールバック – Railwayを使用すれば、デプロイを便利にロールバックできます。これは自動と手動の両方で実行できます。
価格
Railwayのトライアルパッケージは、1GBのディスクと512MBのRAMで構成され、登録なしでプロジェクトを開始できますただし、DeveloperプランとTeamプランでは、使用量とシート数に基づいて料金が発生します。
Fly.io
Fly.ioでは世界各国にある物理サーバーを利用できるため、Fly.ioはフルスタックデータベースやアプリケーションを運用するための信頼性の高いアプリデプロイメントプラットフォームと言えます。他のPaaSベンダーと比べると、Fly.ioはやや新しいプラットフォームです。
サービスの開始は2017年で、Dockerファイルで作成されるすべてのフレームワークに対応するサービスを提供しはじめました。Go、Rust、Rails、Docker、Django、Phoenixなどに対応しています。
特徴
PostgreSQL クラスタ – 開発者は、Flyの無料枠で提供されるサービスでPostgreSQLを簡単に起動できます。また、FlyのPostgresアプリケーションは、データベースの管理にも役立ちます。
高い拡張性 – 数回のクリックでCPU、ネットワーク、クラウドストレージ、メモリなどのリソースを素早く拡張できます。使用した分だけを支払えばよい、従量課金制です。
分析 – は、すべてのメトリクスとアプリのパフォーマンスの詳細を、分かりやすいチャートとグラフで表示してくれます。これらの指標を活用して、企業は明確な意思決定を行うことができます。
価格
Fly.ioでは、3GBのストレージ、3つの共有VM、160GBのデータ転送を無料で利用できます。ただし、2GBの場合の専用CPUが1つ毎月31ドル、共有CPUが1つ毎月10.70ドルかかります。
Dokku
Dokkuもまた、Dockerの利点を存分に活かしたユーザーフレンドリーなPaaSプラットフォームです。Dokkuでは、アプリケーションの構築、デプロイ、拡張を簡単に行うことができます。
特徴
カスタマイズが簡単 – Dokkuにはさまざまなカスタマイズを行うために役立つプラグインが用意されています。Dokkuのプラグインには、Redis、Elasticsearchなどがあります。
リモートコマンド – クライアントやチームのためにコマンドを設定するのも簡単です。自分のデバイスで関連するコマンドラインインターフェースにリモートでアクセスできます。
価格
Dokkuは無料でダウンロード、使用できますが、Dokku Proはそのプレミアム版になります。早期割引価格は$849で、ライフタイムでプレミアム機能が利用できるようになります。
他のベンダーには、AWS(Amazon Web Services)のElastic Beanstalk、Digital OceanのApp Platformなどがあります。
おわりに
PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)は、すべてのスタートアップ、中小企業、開発チーム、および大企業にとって検討価値のある、需要のあるコンピューティングモデルの1つです。しかし、このようなサービスを利用する前に、PaaSについていくつかのことを理解する必要があります。
このガイドでは、PaaSについての概要を説明しました。PaaSの利点、特徴、制限、プロバイダー、他のクラウドモデルとの比較など、PaaSに関する情報をここで見つけられます。この詳細な記事を読み、PaaS導入の際の参考にしていただければ幸いです。
PaaSとは?
サービスとしてのプラットフォーム (PaaS) は、インターネット上でプラットフォームとITインフラサービスを提供するクラウドコンピューティングモデルです。PaaSが提供するのは、アプリの開発者が、ハードウェアの管理やソフトウェアのメンテナンスにわずらわされることなく、アプリケーションを構築、展開、管理、拡張できる環境・プラットフォームです。
PaaSの長所と短所は?
長所: 利便性、市場投入までの時間短縮、エンジニアの労力軽減
短所: コントロール範囲が狭まる、柔軟性に欠ける、価格が高い
PaaSプロバイダーのトップ10は?
– Back4app
– Heroku
– Google App Engine
– Platform.sh
– Red Hat Open Shift
– Railway
– Fly.io
– Dokku